ライブでギターサウンドをカッコ良く決めるにはリハが重要

ギタースキルアップ

先日、所属しているバンドのライブをしてきました。

ライブは普段から練習しているギターを披露する大事な場面です!成功させるためには様々な準備をする必要があります。前日までバンドで練習したサウンドを効果的にカッコよく出すためにはリハーサルをしっかり行う必要があります。

私のライブ経験からリハーサルで失敗した例や、こうしたら成功したなどのお話をお伝え出来ればと思います。

  リハーサルは練習する時間ではない                

今までのライブ出演で様々なバンドのリハーサルを見てきました。貴重なリハーサルの時間をムダにしているバンドが多いと思います。過去の自分もそうでしたが、「あの曲練習不足だったからここでやってみよう」とか、ライブ前のスタジオ練習でも「時間がないからあとは当日のリハで仕上げよう」とか、そんなことをしていたら、ライブがうまくいく訳なんてないだろうという感じですよね。

自分自身、納得のいかないライブを繰り返してきました。

聞かせたい大事なポイントを洗い出しておこう

ライブは実はバンドのメンバーだけでやっているのではないのです。バンドメンバーそれぞれの音を拾ってスピーカーから出すエンジニアさんがメチャクチャ重要になります。当日初めて会うエンジニアさんに、自分たちのバンドのイメージをごく短時間に理解してもらい、最高の音を出してもらうのです。バンドの新しいメンバーになってもらう様なイメージで臨みましょう。

リハーサルは大体30分くらいだと思います。あまり時間がないのであらかじめ聞かせたいポイントを何か所かピックアップして、エンジニアさんに伝えることが重要になります。

例えば、曲中でバックの演奏が止まり、ボーカルだけの部分があり、そこに深いリバーブを掛けて欲しいとか、登場のSEから1曲目のつなぎのタイミングの打ち合わせとかになります。エンジニアさんがいるからこそ出来る演出の部分をリハーサルします。そのためのリハーサルなので、曲の演奏練習は当日までに終わらせておきましょう。

エンジニアさんは自分たちが演奏する曲を知ってる訳ではないので、全部の曲で細かいお願いをすることは、出来ません。なのであらかじめ何か所か決めておくのです。

各楽器の音の調整は納得いくまで行う

自分史上、一番納得いかなかったライブとなってしまった理由No1は自分のギターの音が聞こえなかったライブです。これは皆さんも経験があるのではないでしょうか。これの何がつらいかというと、自分の音が聞こえてないのであまり良い演奏ができないのに、客席にはちゃんと大きな音で良くない演奏が届いているという点です。これは恥ずかしい。思い出したくもありません。

後でメンバー音源を聞きながら反省会をしようという事になっても、当日何かと理由をつけて欠席という事になってしまうでしょう。

音はその日だけのもの

ライブに向けて何度かスタジオで練習するかと思いますが、本番の環境とは違うため、ライブ会場に合わせたその日限りのセッティングが必要になります。ここでの話は重要な部分になります。自分もここを軽視していたため、悲劇を何度も繰り返してました。

まずステージでの演奏音量を適正にします。

当たり前に聞こえるかもしれませんが、なかなか難しいですよ。自分だけではないのです。各メンバーの音量まで聞いて調整しましょう。一つのパートだけが大音量になっていたり、極端に小さな音量になっている事もあります。ステージ上である程度バランスよく音量設定します。ギターアンプが極端に大音量になっていた場合PAでは調整しきれないので前の方にいるお客さんの耳を直撃してしまいます。

アンプは演者の足元にある場合が多いので、本人がアンプの近くで立って演奏している時に聞こえる音と、アンプの目の前にいるお客さんとでは聞こえ方が全く違うのです。ある程度の音量に抑えて、足りない音量をPAで上げてもらう様なイメージが良いと思います。

ここで曲を演奏してみて、自分の音は聞こえるか、ボーカルの音は聞こえるか等チェックしていきます。モニター(足元やステージ脇にある各パートの音をステージ上に返すスピーカー)から特定の音を出してもらうことが出来るので、リクエストします。

ここを妥協してはいけません。

聞こえづらい音がある場合には、はっきりとエンジニアさんに伝えましょう。まぁいいかで過ごしてしまうと悲劇を生みます。自分のギターの音、コーラスのマイクの声、しっかりと確認します。

ギターサウンドのセッティング

ライブに向けエフェクターボードの新調、パラメーターの設定等されていると思いますが、私の気を付けているポイントとしてはクリーン、歪み(バッキング)、歪(ソロ)、飛び道具的音の音量差です。歌のバックで弾くクリーン、歪み(バッキング)の音量差は出来るだけ自然になるようにしてます。

ギターソロの時の音量はある程度ゲインと音量を上げます。あまり上げすぎるとノイズが増えたり、フィードバックが起きてしまうので程々にして、PAの方で音量を上げてもらうのが良いと思います。ここで重要なのがエンジニアさんとの関係です。どこで上げてもらうか、ツインギターの場合、どちらがソロを弾くのか等、短いリハ時間の中で、できるだけ伝えましょう。事前に渡す曲目リストに細かく記すのも重要ですが、そもそも初めて聞く、もしくはそんなに知らない曲全部の細部に渡り、思い通りに調整してもらうのは難しいと思います。ポイントを絞りましょう。

ギターが2人いる場合はギターサウンドのキャラクターをうまく分ける様にすると良いと思います。ギタリストは大体自分の音は最高だと思っているのですが(自分だけかも)何も考えずにそれぞれの自慢の音を合わせると、音を打ち消し合ってしまったり、あまりにもかけ離れてバンドとして合わなかったりする事もあるので、ここは全体を考えて、普段の練習時から、1人はハイとローを上げてドンシャリ気味に、もう一人はミドルを強調等、音域の棲み分けをするとよいと思います。また他のメンバーの冷静な目で(耳で)アドバイスを受けると良いです。

客席で聞こえる音を確認する

ステージで演奏している音を自身が客席で確認する事は難しいと思いますが、一番聞きたいところですよね。

私はリハ前にスマホを客席にセッティングし録画してます。これは外音を確認できるだけでなく、客観的にバンドを見るためにもかなり効果的です。最近はライブ当日のリハだけでなく、普段の練習も撮影する様にしています。またボーカルに客席に出てもらい、音のチェックをしてもらったりもあります。私のギターからエフェクターまではワイヤレスにしているので私自身が客席におりてチェックする事もあります。ワイヤレスがまだ普及する前は、どうしても自分達の演奏する音がPAを通したスピーカーから出る音を聞きたくてモヤモヤしていましたが、今は便利ですね。

ただお客様が入った状態の音はリハと違ってきますので注意が必要です。人が入るとかなり音が吸収されますので本番になってびっくりしない様にしましょう。本番が始まってから自分の音が聞こえなかった場合は、自分の足元のモニターを指さして、上にあげるしぐさをすれば音量を上げてもらえます。

リハ時に確認していれば防ぐことが出来たトラブル

今まで私が経験したトラブルを紹介します。

★エフェクター、チューナーの電池が切れた。

良くある話です。こんな基本的なトラブルも起こしてしまうほど程、ライブは緊張してしまうものなのでしょうか。コンパクトエフェクターの場合電池の方がよい音がするという事で電池を使用していた時期もありましたがこの事件以来パワーサプライを使うようになりました。電池が無くなるよりマシだと思います。

★ワイヤレスが混線

これはギタリストにとってはかなり恐ろしい話です。本番前転換中に音が途切れる状態になりました。あと数分後に本番が始まるというのに原因がわかりませんでした。急いでシールドを予備のものに交換したりしましたが、改善しません。接触が悪い時に聞こえるガリ音はあまり聞こえないのでおかしいなと思っていたのですが、ベーシストが、もしかしたらお互い使っているワイヤレスの混線が原因かも、と気づいてくれたのです。ベーシストのワイヤレスを外してシールド接続にしたら元通りに戻りました。

転換の時間が2時間にも3時間にも感じました。

★ギターが煮えたぎった

2本のギターを使用するライブがあり、使っていない方のギターをスタンドに置いていました。ライブ中盤にギターを持ち換えようとスタンドに掛けてあるギターを手にすると・・・・ネックがメチャクチャ熱くて握れない! ステージ横の照明の目の前にギターを置いてしまっていたのです。ステージ上があんなに暑い理由が分かります。ギターにもかなりダメージがあったと思います。

まとめ

ライブ当日のリハーサルは30分とかなり短い時間の中で、行わなくてはならないことが多くあります。

ライブ前のリハーサルは曲演奏の練習時間ではないので、自分たちの出来ることは可能な限り事前に準備をしておくのは大事だと思います。曲のイメージ、聞かせどころ、できるだけ分かりやすく伝えてエンジニアさんをいかにバンドメンバーに引き込むかが大事。

ステージ内での音をバランスよく決め、モニターを含む全体の音量バランスを確認する。聞こえない音があったら納得いくまで調整をしてもらいましょう。

アンプの音量は上げすぎに注意しましょう。PAで音量を上げることは出来ても下げる事は出来ません。

客席で聞こえる音をスマホ録画、ボーカルに聞いてもらう、ワイヤレスを使用し自分が客席に出る等の方法で確認しましょう。

あと私は、エンジニアさんに必ず一言挨拶に出向き、雑談をする様に心掛けています。気持ち良く仕事をしてもらう様にとの思いです。少しでもプラスに働けば良いと思ってます。

最後まで読んで頂きありがとうございました。

録画した先日のライブの動画を見ながらビールでも飲みたいと思います。